映画士この1本! 殺人の追憶
続きまして、韓国映画からもう1本映画をご紹介。
「殺人の追憶」は、アカデミー賞受賞作品「パラサイト 半地下の家族」の監督であるポン・ジュノ監督のノンフィクション映画。
主人公パク刑事役は、同じく、「パラサイト 半地下の家族」や「グエムル」「シュリ」「スノーピアサー」等に出演したソン・ガンホ。
本作品は、1986年から発生した華城市を舞台にした連続殺人事件、華城連続殺人事件を題材にしている。
この事件は、10代から70代まで10名の女性が犠牲になっており、警察が犯人を特定できずにいた事件である。
犯行は、いずれも雨の降る日、夜間に行われており、目撃情報や少なく、足跡等も消えており、捜査は難航する。その間に、また一人と犠牲者が出ていく中、地元警察の刑事たちはわずかな手掛かりをもとに容疑者を絞りながら、犯人を特定するために奮闘する。
はたして、結末は・・
本作品は、ポン・ジュノ監督の初期作品でありながら、徹底したリアリズムの追求と巧みなカメラワークにより、熟練した映画監督が作り上げたかのような作品に仕上がっている。
映画を鑑賞した当時には監督が誰かは知らなかったが、なんと調べるとポン・ジュノ監督だったという感じ。
例えば、雨中夜間に女学生が姿の見えない犯人に襲われるシーンは、見えない犯人が被害者を追い詰め様が、獣が獲物を追い詰めるような描写で描かれており、被害者の絶望や犯人と事件の不気味さや異常さを際立たせている。
観終えた後には、娘を夜間に一人で外出させる気になれなくなりました。
いや、おらんけど(娘)。
華城事件には、後日談があるが、そういった事前知識なしに鑑賞することをお勧めします。
公開:韓国 2003年
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ キム・サンギョン キム・レハ他
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