映画士この1本! 帝一の圀
このコラムは、映画士が、忖度なしにお勧めできる映画を紹介するものです。新しいものに偏っていたり、興行収入や受賞歴、知名度に左右されずに、一見の価値があると感じる映画をランキングを付けずにご紹介します。
「帝一の圀」原作は、古谷兎丸の同名漫画、菅田将暉主演で贈る学園痛快コメディ選挙エンターテイメント作品。
政財界の子息たちが通う海帝高校において、生徒会長になることは、将来政治家として活躍するための登竜門とされていた。経産官僚の息子である赤場帝一は、校内でも成績優秀であるが、将来総理大臣になるという夢のため、海帝高校の生徒会長になるという野心を抱いていた。
そのために、下級生の頃から奮闘するものの、派閥の選択に悩み、空回りすることも多かった。帝一は、学園生活の中で様々な困難に直面し、ライバルとも対峙しつつ、少しずつ生徒会長の座に近づいていく。果たして、帝一は生徒会長の座につけるのか、総理大臣に上り詰めることができるのか。
帝一役の菅田将暉は、「アルキメデスの大戦」でも主演を務めているが、七三にピッチりと髪型を決め、制服に身を包むような役柄にうってつけである。作品を鑑賞すると、原作者を知らなくても古谷兎丸先生の作品だとそれとなく分かるビジュアル、世界観に統一されている。脇役の志尊淳や間宮祥太郎の存在感も大きく、俳優一人一人の動きが、洗練され、磨かれている。監督の指導が良かったのかと感じる。
タイトルや予告編を見ると、安っぽい印象を受けるが、実際に観てみると、非常にクオリティが高かった。
製作:日本(2017)
監督:永井聡
脚本:いずみ吉紘
出演:菅田将暉、竹内涼真、間宮祥太郎、志尊淳、千葉雄大、永野芽衣他
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